米国公認会計士(USCPA)は難易度が比較的低い割には、大手監査法人などへの転職を有利にすることができる切符になるということで、最近になって非常に注目をあびている人気資格です。
さて、USCPAに合格して転職した場合、年収はどのくらいになるのか、というのは誰もが興味のあるところではないでしょうか。
実際問題として、USCPA試験に合格するためには結構な投資が必要です
・結局のところいくら?USCPA試験合格のための費用を算出してみた。
せっかく大金をかけて試験を受けるのだから、投資した分の元は早く回収したいですよね?
というわけで今回は自分の体験談をもとに、USCPA合格者の気になる監査法人における年収事情などについて解説してみたいと思います。
なお、最近は空前の売り手市場が続いているため、監査法人はUSCPA合格者を積極的に採用しています。全科目合格者はもちろん、部分合格者であっても経理などの経験があれば採用される可能性はかなり高いです。ブームが静まる前に早めに転職活動をしておき、採用後に全科目合格を目指すという道も十分ありえます。
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【参考記事】USCPAとは?学生にも社会人にもオススメの最強会計資格を徹底解説
目次
監査法人の組織と年収について
監査法人はピラミッド社会
USCPAの監査法人における年収について解説するにあたり、まずは監査法人の組織について簡単に解説しましょう。
監査法人なんて普通の人には縁のない世界ですよね?
実は監査法人の組織は完全なピラミッド構造になっています。
このように監査法人の組織は大きく3つの階層からなっており、それぞれアソシエイト、マネージャー、パートナーと呼ばれています。これらの人たちがどんな役割を担っているのか、簡単に見ていくことにしましょう。
アソシエイト
監査法人に新人として入ると、まずはこの階層から始まります。
先輩の指示を受けながらスタッフとして少しずつ経験をつんでいき、最終的にははインチャージと呼ばれる現場の責任者のような仕事を任されるようになります。
年収は500万円くらいからスタートし、最終的には残業代込みで1000万円に届くこともあるようです。
マネージャー
アソシエイトとしての下積みが終わると晴れてマネージャーになります。ここからは管理職になりますので残業代はつきません。
また部署によっては自分で仕事をとってくるような営業的な役割を担う場合もあります。
このように責任は格段に重くなりますが、それに伴い年収も上がっていきます。
マネージャーになりたての頃は残業代が出なくなることで一時的に年収が下がることもありますが、順調に昇進していけば基本的には1000万円代の大台に乗ります。
最終的には2000万円近くもらっているマネージャーもちらほらといるようです。
パートナー
ピラミッドの頂点に立つのがパートナーと呼ばれる人達です。
この人達は組織的には従業員ではなく共同経営者になります。
したがってパートナーに昇進する際には出資金として多額の現金を用意する必要があります。
しかしパートナーになればそれくらいの出資金などすぐに回収できるほどの年収を手に入れることができるでしょう。
パートナーの年収は最低でも1500万円、シニアパートナーの中には1億円近い年収の人もごく僅かですがいるようです。
このくらいの話しになると雲の上のような世界で、ちょっと想像すらできないですよね。
USCPAの初任給は?
さてこのように監査法人の組織について眺めてみたわけですが、USCPA取得者はこの中でどのようなキャリアを取るのでしょうか?
結論から書くと、USCPAであろうと日本の公認会計士であろうと、監査法人でのキャリアの取り方はまったく同じです。
USCPAを取得しても監査経験がなければ基本的には新人の会計士として扱われ、アソシエイトからキャリアを始めることになります。
アソシエイト1年目の年収レンジは残業代を入れておおよそ500万円半ばとなっており、これはUSCPAでも全く変わりません。
これがUSCPA取得後に監査法人に入った場合の平均的な年収になるかと思います。
私の転職体験
自分のスペックについて
ここまでは一般的な監査法人におけるUSCPAの年収について述べてきましたが、ここで私自身がどのような条件で監査法人に転職したかについて具体的な数字をあげながら解説してみたいと思います。
その前に転職時の私のスペックについて。
それまでは事業会社でマーケティング関連の部署におり、財務経理の経験は全くありませんでした。
それに加えて年齢は34歳と、監査未経験で監査法人へ転職するには少し年齢が高めでした。
このように転職するにはあまり有利ではない条件ではありましたが、折からの売り手市場の波のおかげで大手監査法人2社から内定をもらうことができたのでした。
オファーレターの中身
そのうちの1つに転職することになるのですが、そのときの年収条件は以下のようなものでした。
年収 560万円(平均的な残業代を予測して加えた場合)
サインオンボーナス 40万円
職階 ジュニアスタッフ
まず年収については、残業代を抜いた金額が提示されたあと、平均的な残業時間はこのくらいなので最終的にはこのくらいになります、という説明を受けます。
次にサインオンボーナスですが、入社してくれたら特別にボーナスを出しますよ、というオファーです。
なぜこのようなオファーがあったかというと、入社前の年収が600万円程度あったという話しを転職エージェントにしていたため、オファーの合計金額がこの数字になるように調整してくれたんですね。
職階もジュニアスタッフといって一番下ではあるんですが、その中にあるさらに細かい分類では中程度のところになっておりました。このような微調整をすることで、前職との年収差がつかないようにしてくれたのですね。
このように自分の場合は経理経験がなく年齢も高めであったにも関わらず、比較的良い条件で監査法人に転職することができたのでした。
年収1000万円を稼ぐためのキャリア戦略
USCPAは年収1000万円への最短コース
このようにUSCPAの資格を取得してから監査法人へ転職した場合、前職での年収をかなり意識した形で待遇を受けられる可能性が高いです。なおかつ、転職後は監査法人特有のピラミッド構造の中で昇給していくため、そのスピードは通常の事業会社でコツコツと働いていたときに比べれば信じられないほど速く、マネージャーに昇進する手前くらいで年収1000万円に到達することも珍しくありません。
サラリーマンにとって年収1000万円というのは一つの目標となる数字です。そのためには普通はコツコツと働き続け、50代半ばで部長職以上のポジションになってようやく到達することができる水準でしょう。それにしたって、出世競争に勝ち残ったごく一部の人たちのみが達成できる程度の確率でしかありません。
ところが大手監査法人への転職がかなえば、かなりの確率で年収1000万円を視野にいれることができます。そしてそのために必要なのはUSCPAという資格を取るだけなのです。これこそが、USCPAがコスパ最強の資格といわれる理由なのです。
もし私が誰かに、どうやったらもっとも確実に年収1000万円稼げるようになるのかと聞かれれば、迷わずUSCPAの受験を勧めると思います。
監査法人転職後のキャリアについて
監査法人に転職することができると、その後のキャリアは大きく分けて2つのコースに別れるかと思います。いずれも普通の会社員勤めをしていたのでは到底達成できない、夢のあるキャリアです。
一つはパートナーを頂点とするピラミッドのとにかく上を目指すというもの。パートナーは監査法人の経営者という立場ですので、やりがいはもちろんのこと、年収にして2000万円以上の待遇を得ることができます。
もう一つのキャリアは年収を上げるところまで上げた上で転職するというもの。何度も書いてきたように、マネージャー昇進の手前くらいで大台の1000万円が見えてきます。そうすると転職マーケットでも「前職では年収1000万円」という武器を手にしつつ戦うことができるのです。
このうち後者のキャリアについてですが、マネージャー昇進までは入所してからおおよそ8年〜10年程度で達成できることが多いようです。ということは、30代半ばで転職した場合でも、おおよそ40代中盤で年収1000万円に到達することができるということになります。これは同年代と比べてもまだまだ相当程度高水準といえます。つまり、監査法人への転職は30代半ばでも十分に狙えるのです(事実、私自身がそうでした)。
その後は事業会社の経理部門や内部監査などそれまでの経験に応じたポジションに転職すれば、高待遇を保ったまま、仕事のペースを下げるといったことも可能です。
世間では「35歳転職限界説」といったものがいまだに信じられているようですが、すくなくともUSCPAを取得さえしていれば仮に業界未経験であっても30代半ばでの転職は全く問題ありませんし、その後のキャリアも選択肢の多い魅力的なものにすることができるのです。
転職におけるUSCPAのコストパフォーマンス
このように、転職マーケットにおいてはUSCPAを所持していることは非常に有利です。特にコストパフォーマンスのことを考えれば、日本の公認会計士試験を突破して入所する方法が馬鹿らしくさえ思えます。
まずUSCPAの難易度ですが、公認会計士試験に比べればはるかに易しいです。基本的には選択問題からの出題となりますし、決められたタイミングであればいつでも受けることができます。USCPAの難易度については、以下の記事を参考にしてみください。
・USCPAの難易度は?働きながら1年半で合格した本音の感想
次に取得のための費用ですが、おおよそ60万円程度とみておけばよいでしょう。これは資格試験の中ではかなり高額な部類に入りますが、その後の年収が高くなることを考えれば十分にペイできる金額です。
・結局のところいくら?USCPA試験合格のための費用を算出してみた。
USCPAの難易度と費用を冷静に分析すれば、この資格がいかにコストパフォーマンスに優れているものかお分かりいただけると思います。転職して人生を変えたいと思っているのであれば、一考に値する資格といえるでしょう。
まとめ
今回はUSCPA取得者が監査法人へ転職した場合、どのくらいの初任給になり年収はどの程度になるのかについてみてみました。
転職直後の年収はそれほど高いものではありませんが、監査法人特有のピラミッド構造により給与は転職後から順調に伸び続け、夢の大台とも言われる年収1000万円も現実味を帯びてきます。
これほどまでに魅力的な資格を、私はほかに知りません。ところが、英語の試験だから、とか、どうやって受験したらいいのか分からない、などといった些細な理由で、多くの人が検討すらしようとしていません。つまり、USCPAはまだまだ穴場な資格なのです。
つまり、コスパ最強といわれているUSCPAは、あなたの人生を大きく変える可能性を秘めた将来への切符となりうるのです。
しかも、監査法人は慢性的な人手不足になっており、全科目合格していなくても転職できる可能性すらあります。
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