近年、転職やキャリアアップを狙う上で急激に注目を集めている資格が米国公認会計士(USCPA)。人気の資格だけあって、合格するまでにおおよそ1000時間の勉強時間が必要とされるなど、そのハードルは決して低くありません。
このブログではUSCPAに合格するまでの目標期間を、諸手続きなどを含めて1年半と設定しています。
勉強にあてることのできる期間は実質1年間、その中で1000時間の勉強をするためには、おおよそ1週間で20時間程度の勉強時間を確保する必要があります。
1週間で20時間というのは、社会人にとって確保することのできるほぼMaxの時間数といってもいいかもしれません。はっきりいって、これはかなりハードルの高い目標なんですよね。
よくUSCPAの試験は難易度が高いかどうかという議論が起こりますが、この試験のポイントは内容そのものの難易度もさることながら、社会人が1年半集中して毎週20時間勉強できるかどうかといった点にあるんですね。ほとんどの社会人は、この試練に耐え切れずに脱落してしまいます。USCPAの難易度が高いという理由は、まさにこの点にあるのです。
このブログでは、勉強をするために必要な戦略と、やる気を持続させるためのモチベーション管理について解説しています。その方法については後ほどご紹介しますが、今回はUSCPAに1年半で合格するために私が特に重要だと考える具体的な勉強法について、4つのポイントに絞って解説してみたいと思います。
目次
スマホを徹底活用する
講義は基本的にスマホから聞く
最近はネットを通じていろいろな授業を受けることができるようになりましたが、USCPAのような資格系の講義もネット経由で受講することができるケースが増えてきました。
私の受講したe-ラーニングコースもネットに接続して受講するのですが、残念ながらスマホからは閲覧することができませんでした。また、専用のアプリなども提供されていません。
そこで講義内容が収録されたデータを別途入手し、これをスマホに入れて持ち運ぶことで、自宅以外の場所で講義を受けられる環境を整えました。
自宅以外の場所で勉強する
USCPAの勉強をするときは、自宅以外の場所でおこなうようにしました。
なぜわざわざ自宅以外で勉強したのか。それは環境がやる気を引き出すからなんですね。
自宅というのは基本的にはくつろぐ空間です。したがって、そこで勉強をしようとしてもなかなかやる気が出ません。(正確には、机に向かおうという最初の一歩が踏み出せないのです。)
そこで、勉強は全てカフェ、もしくは図書館でおこなうというルールを作りました。
そのためにも、講義が出先で聞けるかどうかというのは非常に重要なんですね。
通勤時に講義を聞く
社会人にとって通勤は貴重なスキマ時間ですよね。
かといって、満員の電車の中でテキストを広げながら勉強するのは効率的ではなく、オススメできません。
私が通勤電車の中でやったのは、講義の復習です。
それまでに受講している講義ビデオを再生していくことで、1度の授業を複数回聞くことができたのです。科目や分野にもよるのですが、おおよそ3回転くらいは聞くことができたのではないかと思っています。
人間の脳というのは目からだけでなく耳からの情報も記憶として取り込みます。よく、いつのまにかCMで流れていた曲が頭に残っていることってありますよね。あんな感じで何度も授業を聞くことで、いつの間にか単語が頭のなかに残るということがあるのです。
そのためにも講義はスマホに入れておいて、どんな場所からでも聞けるようにしておくのが大事なのです。
テキストを使い込む
講義テキストは予め印刷しておく
e-ラーニングコースなどでは講義テキストはPDFで配布され、印刷物は用意されていないケースがあります。そのような場合でも、テキストは必ず印刷して手元においておくようにしました。
初めて講義を受ける場合は通勤電車の中ではなく、図書館やカフェなど落ち着いて勉強できる場所にします。そして、授業で触れられている内容をテキストに書き込んでいきましょう。この書き込むという作業自体が、記憶の定着に役立ちます。また復習するときも、自分で書き込んだ跡をみることで、授業を受けた時の記憶がよみがえるのです。
わたしは、最初こそPDF上にパソコンから直接文字をタイプしたりもしていたのですが、途中からこのやり方はやめました。やはりペンをもって、直接テキストに記入していったほうが記憶の定着には良さそうです。
テキストにある問題をやり込む
テキストには演習問題もたくさん載っていますが、この演習問題は何度も取り組むようにしましょう。
講義を受けたらすぐに過去問演習に取り組む人もいますが、まずはテキストにある問題を完璧に解けるようにするのが先です。
その際、テキストに直接解き方や解説を書き込んだ場合、あとで解き直すときにそれらが邪魔になるケースがあります。わたしの場合、テキストの中にある演習問題だけを抜粋してきてEvernoteに転記し、これをスマホから見て解き直すというやり方をしました。
ただこの方法はかなり時間がかかってしまうため、あまりお勧めはできません。今ならば、演習問題の解説だけは別のノートに取るようにするか、あるいは演習問題のページだけ別途印刷しておいて、これを見ながら解き直すという方法にすると思います。
いずれにせよ、講義で取り扱った演習問題は何度も解き直すことが重要です。過去問の解説は文章だけであるのに対し、講義で扱った問題は動画つきで丁寧に解説されているわけですから、これを活用しない手はないのです。
時間管理を徹底せよ
1科目最低250時間
冒頭に書いたように、USCPA合格までの目安の学習時間は1000時間です。USCPAは4つの科目で構成されていますので、1科目あたりの勉強時間は最低250時間ということになりますね。
こちらの記事(参考 ⇒ 社会人が働きながらUSCPAに合格し、大手監査法人に転職するまでの全過程)にも書いたのですが、私ははじめのうちは勉強時間というものをまったく意識していませんでした。その結果、自分がどの程度の仕上がり具合なのか客観的に判断できず、試験に失敗してしまうという経験をしました。
勉強時間を管理するということは現在の自分の位置をしっかりと把握する上で極めて重要ですし、自分がどのくらいやったのかを数字で見るのはやる気の管理をする上でも決定的に大事になってきます。漠然と勉強をしているのであれば、今すぐに勉強時間を計測しましょう。
なお、ここでいう勉強時間には通勤時に聞く講義は入りません。あくあまでも座って勉強している時間だけを集計するようにしましょう。
時間計測にはアプリを活用
自分がどのくらい勉強しているのかを測定するには、原則的にはストップウォッチがあれば十分です。けれども、いちいち時間をメモしてエクセルなどで集計していくのは面倒ですよね?ということで、時間計測にはスマホアプリを徹底活用しましょう。
このアプリは科目ごとに時間設定できたり、週間目標時間まであとどのくらいで達成できるか一目で分かったりと、便利な機能が色々とついていておすすめです。
参考記事 働きながら年間1000時間の勉強計画を達成するために使った神アプリ
アウトプットを重視せよ
インプット・アウトプットのバランス
どんな勉強でも言えることですが、実力というのはただ授業を聞くような受け身な姿勢ではほとんど上がりません。質問されて答えを出したり、自分で疑問点などを整理したりする作業、つまりアウトプットをすることが真の実力をつける上での鍵となるのです。そしてUSCPAのような資格試験の場合、アウトプットとはつまり過去問を解くことと同じです。なるべく多くの過去問を完璧に解けるまで何度も繰り返すという作業を通して、合格が近づくのです。
講義を聞いたり復習したりする時間をインプットとし、過去問を解く作業をアウトプットとすれば、その比率はおおよそ1:2くらいになるのではないでしょうか。おそらく100時間弱くらいで講義で扱う内容はすべて頭に入るはずですので、残りの200時間弱を全て過去問演習にあてます。
過去問の取り組み方
過去問(正式には予想問題集という扱いになるかと思いますが)は最低でも3回くらい回す必要があります。まず最初は全ての問題を解きます。このとき、まったく分からなかったり間違ったりした問題にはチェックをつけます。2回めも同様に全て解き、間違った問題にチェックを入れます。3回めあたりからは間違った問題だけに絞って解き直しをおこないましょう。
このように過去問は何度も解き直すことが大前提です。USCPAの過去問としてはいくつかの種類が出版されていますが、どれが良いということは特に無いと思います。大事なのは一つの問題集を完璧になるまで延々と繰り返すことです。そして、ほとんど記憶してしまうくらいやりこんでしまったならば、新しい過去問に手を出すようにしましょう。ただ、3回解き直すことを前提とするならば、200時間では1冊やりきるのが精一杯だと思います。
なお、UCSPAの過去問というのは電話帳のようなとんでもない分厚いものが多いので、持ち運びには適していません。ですので、自分が取り組んでいる科目の問題と回答の部分だけ切り離して持ち運ぶようにしましょう。ページとページの間の部分にカッターを入れ、背表紙ごと切り込みを何度も入れれば、きれいにはがせますよ。
まとめ
以上のようにUSCPAの勉強に必要なのは時間管理や過去問活用など、受験勉強などで必要とされているテクニックと大差ありません。社会人が受験生と大きく異なるのは、自由に使える時間が圧倒的に少ないという点にあります。その点をしっかりと心に刻んでおけば、1年半という準備期間で全科目合格することは夢ではありません。
戦略的勉強法ややる気スイッチの入れ方など、全ての勉強にとって必要な原理原則についても、是非この機会に身につけておいてください。これらのワードを見ても具体的なイメージが沸かなければ、こちらの記事もご覧いただくこととをオススメしますよ。
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