勉強をしていてもなかなか結果が出なかったりしたとき、ふと自分の勉強のやり方は正しいのかと思うときってありませんか?
でも正しい勉強のやり方なんて教わったことありませんよね?
それもそのはず、学校では勉強は教わるけれど勉強のやり方そのものは教わってないんですよ。せいぜい毎日復習しろ、とか、宿題しっかりやってこい、とか、その程度ですよね。
では正しい勉強のやり方とは何か?
インターネットで「勉強 やり方」などと調べると、勉強するためのコツやテクニックなどがたくさん出てくると思います。でもこれらは全て、細かい戦術レベルの話。こうした小手先の方法をいくら読んでも、真の意味で勉強をできるようにはなりません。
今回は勉強をするために必要な、土台となる考え方についてご紹介します。この考え方、すなわち勉強のための戦略を身につけさせすれば、受験や資格試験などあらゆる場面で活用できるようになります。
今まで何回も勉強に挫折したり、何から手を付けたら良いのか分からないと悩んでいる人は、ここに書いてある考え方を何度も読み返してみてください。今まで考えもしなかった勉強の基本となる考え方が、自然と身についてくるはずです。
目次
勉強で結果を出せる人の思考プロセス
受験勉強や資格試験で必ず結果を出せる人がいます。こうした人たちに共通した特長があるのですが、それが何か分かりますか?
それは、この試験に絶対合格するんだという強い決意です。
この決意がどのくらい強いかで、その後の勉強のパフォーマンスが変わってくると言っても過言ではありません。
逆に、明確な決意がないままなんとなく始めてしまった勉強というのは、決して長続きはしません。
なぜ強い決意が勉強のパフォーマンスに影響をあたえるのでしょうか?
それは決意が強ければ強いほど、現状の自分の未熟さを痛感するからです。今のままの自分では決して目標に到達できない。そういった「あせり」が生まれることで、継続的に勉強をするというモチベーションが生まれるのです。
ここまできてようやく、具体的な勉強プランの作成が始まります。未熟な自分の実力を合格レベルにまでもっていくために、あと何時間の勉強をどのくらいの期間でやるべきなのか。そのためには、どの時間を使って勉強するか、などなど。
ここまでの思考プロセスを整理すると、以下のようになります。
1.合格するという強い決意を持つ
2.現在の自分の未熟さを知り「あせり」を感じる
3.目標達成のために具体的なプランを立てる
実はこの3つのプロセスは、これから説明する「勉強のための戦略」で説明することができます。
勉強で結果が出せる人は、意識的か無意識かによらず、必ずこの3つのステップからなる戦略にしたがって勉強をしているのです。
勉強の戦略とはいったい何なのか。さっそく詳しく見ていくことにしましょう。
勉強のための戦略とは何か?
「戦略」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。でも戦略って一体なんなのでしょうか?
戦略とはもともとは軍事用語として使われていた言葉ですが、近年はビジネスの世界でも使われることが多くなってきました。営業戦略、経営戦略といった使い方のほか、戦略コンサルティングなどといった職業まであるようです。
これほどまでに氾濫している戦略ですが、どのような意味なのかきちんと説明できる人は意外に多くありません。ここでその意味をはっきりさせておきましょう。といっても、それほど難しいことではありません。以下に述べる3つの内容が含まれていること、これが戦略の中身です。
勉強の戦略
1. 達成したい目標を決める(戦略目標)
2. 自分の現在の状態を知る(現状認識)
3. 1と2の差をうめるために何ができるかを考える(戦術立案)
このことを分かりやすく示したのが以下の図です。
この図を見ながら、先ほど説明した勉強で結果が出せる人の思考プロセスをもう一度確認してみることにしましょう。
合格するという強い決意、これは図の星印のところですね。いわゆる戦略目標をしっかりと胸に刻むこと。これが何より一番大事なことです。
次に、現在の自分の未熟さを知り「あせり」を感じるプロセス。これは図の青丸の部分になります。
最後に具体的なプラン策定。これは図の星印(=戦略目標)と青丸(=現状認識)のギャップを埋める作業と考えられます。
勉強戦略に含まれる3つのステップについて、なんとなくイメージがつかめましたか?
まずは戦略目標を立てよう
さきほどの図をもう一度見返してみてください。この戦略3ステップのうち、最も重要なのはどの部分だと思いますか?
人によって色々と意見はあるかと思いますが、1の「戦略目標」を選んだ人は大変良いセンスをお持ちだと思います。
そうなんです、戦略を立てる上で最も重要で、なおかつ難しい作業、それが目標を立てることなのです。逆の言い方をすれば、正しい目標を立てることができさえすれば、戦略はほとんど完成したも同然です。
目標を立てることが何故それほどまでに重要なのか。
それは、目標を立てたことによってその内容が無意識的に脳に刷り込まれ、あたかもそれが「必ずおこなわなければならないこと」と認識されるからです。いわば自分自身に暗示をかけていると言ってもいいかもしれません。
「暗示」という言葉を聞くと、勉強とはかけ離れた、なにか非科学的なことを言っているように聞こえるかもしれませんが、このような考え方はこれからも非常に重要になってきますので、是非とも心に留めておきましょう。
さて戦略目標を立てるにあたって、いくつか注意しておくポイントがあります。
まず明確な期限があること。そして効果の測定が確実にできること。この点を意識して戦略目標を立ててみて下さい。
戦略目標の例としては、以下のようなものが挙げられます。
戦略目標の例
・6ヶ月後のTOEICの試験でスコアを100点アップする
・1年以内に簿記2級を取得する
・現役で東京大学に合格する
これに対して、たとえば「英語を話せるようになる」などというようなものは戦略目標ではありません。期限が定まっていないだけでなく、英語が話せるという定義があいまいなためです。
勉強が続かなかったり、思っていたような結果が出せない場合、戦略目標の設定が間違っている可能性が高いです。適切な期限を設けているか、効果の測定できる目標なのか、そういった点を改めて考え直してみて下さい。
自分のリソースを知って現状を認識する
つづいて第2ステップの現状認識について見ていきましょう。
現状認識は文字通りの意味に捉えてもらって結構です。例えばTOEICの試験で700点を取ることが戦略目標だった場合、現在の点数が何点であるのかを把握することが現状認識になります。
あるいは大学受験で世界史を選択した場合、どの程度の前提知識を持っているのか、暗記することは得意なのか苦手なのか、そもそも世界史を勉強することが好きなのかどうか、といった内容も全て現状認識となります。これらはすべて、その後の勉強の計画に大きく影響を及ぼす要素となってきます。
このように戦略立案における現状認識とは、自らが持っているリソースを正しく認識する作業であると言えます。
当然のことですが、各々が持つリソースの種類、量はまちまちです。このことを認識できていないと、レベルの高すぎる参考書を使ってしまったり、あるいは試験日までに準備が全く終わっていないという事態に陥ってしまいます。
自分自身の現状を正しく認識するというのは意外と難しいものです。学校や予備校では勉強そのものは教えてくれるかもしれませんが、各々の生徒のパーソナルな部分にまで切り込むことはなかなか困難です。
家庭教師や個別指導という学習サービスが根強い人気を持っているのは、個人の能力がどの程度なのかといった情報を把握した上で勉強を教えてくれるからです。これはまさに現状認識のステップを手伝ってもらっていることに他なりません。
最近では英語の勉強でも「パーソナルトレーニング」といって、個人の実力に合わせたプランを立ててもらえるサービスが増えてきました。自分の今の実力がどの程度なのか判断に迷うとおもったら、こうしたサービスを利用してみるのも一つの手です。
おすすめ記事 TOEIC初心者はスタディサプリのパーソナルトレーニングがおすすめ
目標をかなえるための戦術を立てる
最後のステップが戦術立案です。
現状認識を終えた時点で、戦略目標に対してどの程度のギャップがあるのかが見えてきます。先ほどのTOEICの目標で言えば、700点の目標に対して現在の点数が550点であった場合、その差である150点が埋めるべきギャップとなります。
戦略3要素の最後の段階である戦術立案とは、このようなギャップを埋めるための最短かつもっとも効率的な勉強方法を計画することにほかなりません。
ここでポイントとなるのが「最短」という点です。すなわち、今するべき勉強は150点の差を埋めることであって、決して200点や300点アップを目指すことではないのです。もしも結果的に750点をとった場合、表面上は200点アップとなって喜ばしいことではありますが、戦略的に見れば「勉強しすぎた」ということになります。
特に合否を分けるようなテストの場合、この考え方は重要です。つまり、60点以上取ることが合格の条件であった場合、このテストで100点を狙う必要性は全くなく、むしろ60点に限りなく近い点数で合格したほうが効率的な学習計画を立てられたことになります。
私たちは小さい頃から無意識のうちに点数は高ければ高いほど良いと刷り込まれているのですが、戦略的勉強法ではこのような考え方はしません。この点はいくら強調してもし過ぎることはないほど重要ですので、是非とも心に留めておいてください。
さて、戦術の立案というのは実質的には勉強計画を立てるということです。つまり、個別的事情にもっとも左右されるステップであるため、詳細については別の記事で詳しく書くことにしましょう。
そんな中、どのような勉強計画でも共通して大事な点があります。それは戦術立案に「時間」という考え方を取り入れることです。
具体的に言えば、戦略目標の達成のためにどのくらいの時間がかかるのか、あるいはどのくらいの時間を確保できそうなのか、これを文字通り「時間数」で把握するという作業になります。
時間的なリソースには限りがあるため、どれほど頑張ったとしても一週間に80時間程度の勉強時間を確保するのが限度でしょう。社会人ならば週20時間勉強できればかなりのものです。この限られた時間の中でどのような勉強をしていくのか、これが勉強計画立案のスタート地点となります。
このように戦略全体を時間数で縛り上げることは、継続的に勉強を続ける上でのモチベーション管理にも重大な影響を及ぼすことになります。
まとめ
今回は勉強のやり方を考える上でかかせない、「勉強の戦略」について解説しました。なんとなく勉強したことしかない人にとっては、驚きの考え方だったのではないでしょうか。
慣れないうちは、このページに書かれたことの半分も理解できないと思います。そんなときは、まずは戦略目標を立てるところから始めてみて下さい。明確な戦略目標を立てることができれば、あとのステップは比較的スムーズに進めることができるはずです。
行き当たりばったりだったり、気合と根性で勉強を続けようとして失敗している人は、是非とも勉強戦略を立てるところから始めてみましょう。
勉強戦略が理解できたら、英語の勉強からはじめよう
勉強のための戦略の考え方が身についたら、次はいよいよ実戦です。
結果が出やすくどんな場面でも役に立つのは、英語の勉強。特にTOEIC800点を超える実力がつけば、周りとの差も大きくつきます。
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